ほころびができてしまったシャツに刺繍をしています。かつての新しさとほころびの現在、刺繍をしていくことで新たなものへの転化。シフトしていく価値。
まだおぼろげではありますが、かつてマルタンマルジェラが作り出すクリエイションを
服を着る理由とは?
この形の理由は?
何故着飾る必要があるのか?
ブランドの価値とは?
ということを、あそこでなくてはならなかったと思いながら、ここのところ眺めたり着ることが増えている理由も含めて、考察しながら制作のための習作を繰り返しています。
これは、軍 のために作られた鞄に白ペンキが塗られたもの。
それほど古いものではありませんが、買った当時はあまり持たず、いま毎日のように使っています。
もう一枚の写真は、スーザンチャンチオロさんの作り出すステッチや世界観に、触覚を感覚的に刺激する要素を感じて、DMをデザインさせてほしいとお願いして作った案内状になります。本当に嬉しかったと思えた出会いのようなものでした。
それから、佐藤直樹さん、庄野さんと古谷さんのゼミ「メディアを立ち上げる」で、雑誌「中庭」を作りました。雑誌をデザインすることはデザイン教育の王道であり、10年以上前から専門学校や大学でのカリキュラムに入っていますが、今回は場やものを作り出していくということを基点に特集を組んでいます。
渋家、デザインソイル、スペクテーター、シブヤ大学、スーパーデラックス、サンデイ イシュー、六次元など、それぞれが興味を持っている場を作り出しているところへ取材をして、インタビューを起こしたものから、渋谷慶一朗、ししやまざき、 八木良太、高領格、泉太郎、 DJみそしるとMCごはん などなどの一言インタビューもあります。先日、その0.5号を上の毛フェスで販売しました(校正段階のため、入りきっていないので1号ではなく0.5号)。もう間もなく販売されます。こちらも出来上がりましたら、掲載しますのでよろしくお願いします。
余談ですが、返金をする奨学金も一切受けることなく大学へ通っています。桑沢デザイン研究所を卒業してから随分と年月が経ち、大学生をしなおすという環境において、完璧さはないが故の、肯定も否定もなく矛盾を含めて、確認する連続する時間なのかもしれません。通わなければわからなかっただろうということを感じています。
これからも少しずつ研究や探求を深めて、可視化する為の現代美術としての制作を個人として続けていきます。
(表現のつたなさは身に沁みて理解しています。。)
メタスタジオとしては、環境を変えていくデザイン、消費されるためだけのデザインではないものを、これからも積極的に取り組んでいく予定です。
夏の終わりに、多摩美とは別に、現象における違和感を探求し著者の一人として、装丁も担当し書籍を出版させていただきました、臨床人間学の水野名誉教授と「ナラティブ考察」対談ワークショップを開催します。定員制でチケット完売しました。(水野先生に声をかけていただいてなので、詳細わからず)
思考や、展覧会のことなどはtwitterから☆ よろしければそちらもどうぞ。
それから文脈には全く関係ないかもしれませんが、7月28日に戸井十月さんがお亡くなりになりました。
かつての恩師のデザイン会社と同じビルに事務所が入ってて、旅立つ前のパーティや、会社として装丁を担当させていただきました(こちらの装丁は私が担当ではありませんでした)。豊かなお話しと笑顔を思い出します。亡くなってしまう数ヶ月前に偶然にお会いして、かけていただいた言葉はとても嬉しくあたたかいものでした。心よりご冥福をお祈りします。
自分自身の領域、方向において、偶然であれやがて必然となるかもしれない、其処にいる。またはいた。ということの大切さを思うことがあります。其処にいたことがなく間接的に聞く=主観が入ってしまっている噂話や見解は、やはりあまり参考にはならないと考えています。
近々、現在進行中の、荒木経惟作品集、小さな店舗のショップイメージとしてのロゴ、ウェブ、ショップカードなど、更新予定です。