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Monthly Archives: 7月 2012

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ヤン富田「アートワーク作品“A.S.L. Space Agency”」のデザインと服を着るって?

       

私は香水が好きなのですが、香りと心理作用(どんな影響があるのか?)をさらに深めたいと思い、学び出すきっかけにもなりましたニールズヤードのショップで石けんと化粧水を買いました。アロマセラピストの資格を取得している店員さんと、生と死のふがいなさを目にすることについて話した夕暮れに、「あまり考えないときも大事です」と言ってもらえて軽くなりました。アロマセラピストの資格についても、学んでいこうかなと思っています。
http://www.nealsyard.co.jp/

(写真:左上の2枚は、ニールズヤードアロマセラピー基礎クラスで作りましたルームスプレーとバスオイル。3枚目はラベンダー。4枚目は落書きされた犬の置物(散歩中に)5枚目は、洗濯物に着いたハートの糸絡み。6枚目は宮沢賢治の世界のような新宿の夜明け。7枚目はエルメスのスカーフ)

それから、新宿伊勢丹4Fにある、2000年前半にかつて恵比寿店が今の場所に移転する前からアンチファッション=コンサバティブなファッションから一線を画し、日本の空気感と丁度重なっていたコンセプトの鮮やかな明快さとターゲットの絞り込みに、なるほど鮮やかな切り口と購入していたマルタンマルジェラを少し眺めて、コムデギャルソンとジュンヤワタナベで足を止め、今シーズンの数着を試着をしながら、もしかすると数十年ぶりに日本を襲った災害は、日本人の死生観を少し変えてしまったのかもしれないと思いました。

試着した数着は、構築的で遊びの要素があり、素材感にも張りがあり、緊張感とともに西洋的な東洋感をどこかで感じたなと思い出していたのですが、数年前にニューヨークのチェルシー付近で入ったコムデギャルソンに感じた小さな異国感に近いようなと気がつきました。どんなときであれ裸で歩くことはできないんだ。だから真剣に、と思っていた私の気持ちと重なり、着ることについてまた考えることになりそうな楽しい出会いでした。秋がくるのも楽しみです。それからエルメスのスカーフの構築力。そういえばかつて小さな頃にモデルをしたことがありました。

ニュースで報道される他国や地方の痛ましい事件に、客観的に状況を眺めてしまうことがあります。その場にいなければわからない焦燥感や香り、皮膚感覚。それらはとても大切なものなのかもしれません。
http://www.maisonmartinmargiela.com/ http://www.comme-des-garcons.com

数十年おきや数年おきに、大きな自然災害や歴史に残ってしまう事件が起きています。そのときその場所で、ジャーナリストが、研究者が、アーティストが、デザイナーが、名をオモテに出そうとしなかった人々が、どんな葛藤をし不安を抱えながら、状況を見据え、立ち向かっていったのか知っていくことは、とても地味で時間がかかるかもしれませんが、少しずつ続けていこうと思っています。

私が20代前半だった頃(だと思うのですが10代後半かもしれません)ヤン富田さんが、白いつなぎのようなものにヘルメットを被ったジャケットのCDと女の子の顔のCDをそれぞれ買いました。かわいいなと思っていて、ご縁が重なりヤンさんのCDジャケットや書籍を何度かメタスタジオでデザインする機会が訪れました。

こちらは、2010年にBEAMSから限定300部で発売されましたアートワーク作品“A.S.L. Space Agency”(2CD+コレクションブック)のデザインになります。残念ながら即完売してしまいました。その他に発売されましたスペースパジャマ、Tシャツ、キャップはリンクより購入できます。
http://shop.beams.co.jp/news/20100128_2175643.html

ヤン富田:日本初のプロのスティールドラム奏者、日本で最初のヒップホッププロデューサー、他にも様々な肩書きを持ち、音楽業界を中心に支持者を国内外に有する(BEAMS On Line Shopより引用)

     

 

荒木経惟 作品集 5冊のデザイン

    

私が以前から好きな作家に、荒木経惟さんがいつも入っていました。
かつてスタジオスーパーコンパス(Yohji Yamamoto,Y’s for Livingなど服飾のグラフィックを得意としていたデザイン会社)で、演奏家の林 英哲さんhttp://www.eitetsu.net/の講演チラシを私がデザインしました。その際、荒木さんに写真撮影をお願いしたのですが、林 英哲さんの表情と姿から感じられる人としての深みのある写真と、撮るときの軽やかさに驚いたことが忘れられませんでした。

それから、随分経ち(たぶん10年は過ぎてます)、ご縁がありまして5冊続けて荒木経惟 作品集をディレクション、デザインすることができたことを、嬉しく思っています。

私 はここ数年、多摩美術大学デジタルデザイン科に(アジールの佐藤直樹さん主任)、デザインに対する良い意味での疑問点や、現在考えていることを形にするために更に研究をと通っていることもあり、いい加減な気持ちで荒木さんの作品集にデザインとして関わることは、避けたいと考えました。

この5冊は、共にメタスタジオを立ち上げ信頼している、細野がアートディレクションをしています。

「過去・未来 写狂老人日記1979年-2040年」 荒木経惟(2012)
「写狂老人Aのフィルムノスタルジー」荒木経惟 (2011)
「愛の劇場」 荒木経惟 (2011)
「古希ノ写真」荒木経惟(2010)
「遺作 空2」荒木経惟(2009)

下記から購入できます。
http://www.takaishiigallery.com/jp/publications/pu-araki/

http://www.arakinobuyoshi.com/

 

太郎吉蔵デザイン会議に参加してきました

7月7日〜7月8日、多摩美術大学大学長 五十嵐威暢さん主催の「太郎吉蔵デザイン会議」に参加してきました。

「アジアの時代」をメインテーマにヴィジュアル素材を使わない円卓での会議でしたがとても実り多き時間を過ごしました。食事もとても美味しく素材の美しさを楽しむ、和やかなひとときでした。

7日「地域とデザイン」について
豊かさとは何か?時間軸とは?速さとゆったり。時間のコントロール。美。古きものから新しさを。人と人との繋がりについて。互いの発言を活かしあっていく言葉の可能性を感じる会議でした。

8日「世界へ向かう日本のデザイン」について
美意識資源と伝統におけるデザイン解決からの文化的、経済的方向性の育ち方。指針や展望。心を開くこと。それぞれパネリストの問題意識が白熱して飛び交いました。

 フェアウエルパーティでは五十嵐威暢さんや原研哉さんと感想や私が取り組んでいること、学生としての葛藤などを少し話し、東京へと戻りました。デザインの可能性と人の気持ちの痛みを切り捨てずに活かしていくために、私にできることを考えながら動いてます。今日も充実な気が流れています(笑)

7日パネリスト
佐藤卓 グラフィックデザイナー
倉方俊輔 建築史家
山崎亮 コミュニティデザイナー
南雲勝志 デザイナー
柴田文江 インダストリアルデザイナー

8日パネリスト
原研哉 グラフィックデザイナー
西山浩平 起業家
鈴野浩一 建築家
リチャード・ギルフォイル コールマンジャパン株式会社代表取締役
五十嵐威暢 アーティスト

会議の概要は下記からご覧ください
http://www.designconference.jp/2012/

会議の様子から散策。靴好きなので歩きやすいrepetto、札幌の千秋庵でソフトクリームなどなど

            

 

久美出版:水野次太郎名誉教授監修「いきること つくること 響くこと」出版されます

母と共に、一人の時もありましたが何度か麗澤大学で講義をしました。昨年末に水野名誉教授から「自分のことを書いてみませんか?出版します」と声をかけていただきました。

それから、たくさんの伝えたいことや感謝したいこと、つくることを全身で楽しむこと、響いてくることを数ヶ月かけて練り、書きながら記憶をたどり、生まれてから現在まで、現在取り組んでいることとこれからのことについて執筆しました。

最後の校正も終わり、あとは装丁のデザインを進行しているところです。

私の他に19名の喪失感からの考え方や行動をまとめたものになります。

書籍のタイトルは「喪失を贈り物に変える(仮)」9月出版予定です。楽しみにお待ちください。

2011年アメリカ、パームスプリングで飲酒運転を撲滅するために、呼気でアルコールを感知してエンジンがかからなくなるシステムの国際会議が1週間にわたって開催されました。その会議へ 招待され、MADD創始者から日本のMADDJAPAN創始者飯田和代の活動が称えら「あなたにしか継承できません。これからも期待しています」と言葉をかけていただきました。

 

講演「新日鐵株式会社、札幌刑務所受刑者への授業、千葉県立旭農業高校」

◎新日本製鐵株式会社での講演「ハートからつながってく未来ーうごく・できること・考える」

今年は震災や原発のことがあり、多くの人の気持ちが「相手を周りを助ける優しさへ」と変わってきていることをとても感じましたので「ハートからつながってく未来ーうごく・できること・考える」 を主題として全回を少しずつ内容を変えながら、4月から6月まで6回の講演をしました。

1時間半の講演で「簡単なコミュニケーションに必要なこと」について、私のアートディレクター・グラフィックデザイナー、としての経験を踏まえながら、マッドジャパンのこれまでの活動から話しをはじめました。
1:自分の気持ちを相手に伝えるために「最初にコンセプトを持つこと」
2:じっくりと焦らず取り組む「攻撃をするのではなく、互いを活かしていくことの重要性」
3:優しさ「薄いコミュニケーションではなく、その先へ繋がり相互関係でよりよくなっていくための関係作り」

被害者としての気持ちや葛藤と、行動していることについて社会ニュースなどの事例をできるだけ多くだして、それぞれの行動の比較をしながら、聞いていて眠くならないように配慮しながら、進めました。(座って聞いていますと、どうしたって眠気に襲われてしまうものです。私も徹夜明けの時には。楽しみにしていたにもかかわらずぐっすり寝てしまい、起きたら講演が終わってた!ということが何回かあります)

心の痛みと葛藤、生きることの豊かさを楽しむこと、その後の社会への行動との直結について話し、アートディレクターとしての私の仕事を紹介して、酔いの状態を体験できるゴーグルでワークショップをして終了となりました。

今回もほぼ全員600名弱の新入社員からの感想文が届きました。
「絶対、飲酒運転はしない」がダントツに多い感想でした。そして「コミュニケーションについてもっと詳しく知りたいです」「死についてあまり考えないのでわかりづらかったが、考えるきっかけになりました」など。講演を成功することができて良かったです、これからの参考にしていきますと思えるものばかりでした。

ありがとうございました。

  

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◎文科省から教育推薦プログラム:札幌刑務所にて受刑者への授業「疎外感、被害者と加害者の心の痛 みとその後」

6月25日、文科省から教育推薦プログラムとなっています「受刑者への授業」の依頼で、札幌刑務所で1時間10分ほど「疎外感、被害者と加害者の心の痛 みとその後」について授業をしました。

刑務所の教育を担当している刑務官から「是非、またお願いしたいです」と数日前に電話をいただきました。

被害者と加害者の負った最初の瞬間の心の痛みと、その後の社会的な反応の違いにおいての葛藤とその後の行動、被害者としての気持ちと考えて向き合う時間についてや、私の10数年前にスタートしたグラフィックデザイナーから、デザイン会社取締役としてアートディレクターとしての現在、家族と共に社会から「飲酒運転による悲劇をゼロへ」を目指してきた活動、そして妹を亡くしてからの両親との関係について話しました。

周りを攻撃するのではなく、比較と検討を繰り返しながら、活かしていくことが大切なことのように思える対話形式の授業でした。

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 ◎文科省から教育推薦プログラム:千葉県立旭農業高校全校生徒へ「命の大切さ」について講演

6月28日、千葉県立旭農業高校全校生徒へ「命の大切さ:考える、受け止める鼓動、行動」を起点に、楽しむことや考えることの集中力について、デザイナーとしての私のことや作家、遺族の事例をあげて講演をしました。

こちらの高校で、今年の始めに免許を取得をして間もない生徒が交通事故で亡くなる悲劇がありました。私は、どのように進めるかを考えながら「命の大切さ」を起点に、楽しむことや考えることの集中力について、デザイナーとしての私のことや作家、遺族の事例をあげて講演をしました。高校の先生から「良かったです。考えることのきっかけをいただきました」とお礼の電話をいただきました。 衝撃的な事故が起きてそれほど経過していないこともあり、それぞれに葛藤と社会の反応へのもどかしさが消化されてはいないようにも思われましたが、一人でもこれからのヒントを見つけてもらえたなら、やって良かったと思える先生からの電話でした。ありがとうございました。