母の祖父にあたる村上春太郎(天文学、物理学者)さんに私は会ったことがありません。私が生まれたときには亡くなっていました。叔父でもある日本の都市計画家の村上處直(すみなお)さんや母などから、月のクレーターに名前がついていることや国会図書館に数式の研究資料が入っていることなど多くの功績について聞いていました。
先日、處直さんから春太郎さんについて福井宗時さん(名古屋大学名誉教授)がまとめてくださった資料を見せてもらいましたが、其処に書かれていた言葉がとても印象的でした。
「専門家は不具であると。科学者に人格円満なる人の少なき嘆じ、生徒に名誉にのみ走る心を戒める。講義は唯心論を論じ、芸術を賛美し、話しの一語一句が詩的で、楽しみにして待たれる」福井宗時(名古屋大学名誉教授)
それから、関西学院大災害復興制度研究所長 室崎益輝さん(處直さんの友人)が、8月24日の朝日新聞 オピニオンのインタビュー記事で、震災に対しての公平なデータの蓄積、正しき検証について答えていますので、抜粋になりますが載せておきます。
「地震火災を甘く見るな」
◎「リスクを科学的に予測して、実現可能な対策にあたる。それがリスクマネジメント。試験に例えれば「正しくヤマをはる」
◎「東日本大震災で原発事故を引き起こした構図と同じです。最悪の事態は、起きてほしくない。という気持ちがリスクと正しく向き合わず、被害事態から目をそらそうとしているのです…。間違ったデータによる誤った対策は、多くの命を奪いかねません。」
◎「地震火災の原因を分析すると、通電火災の比率が非常に高い。…感電ブレーカーの設置を法律で義務づけるべきでしょう。安くてすむのにそんなこともできていません」
◎「何よりも街の中に緑を増やすことが重要です。街路樹には火に強い樹種を増やし、生け垣や敷地に木を植えて、緑の力で延焼速度を抑える。…シカゴ市では大火のあと、グリーンベルト地帯を網の目のように張り巡らせました。こうしたシカゴの事例などに学んだ街作りをするべきです。」
こちらの記事は、誤った解釈になりませんよう、気になる方は全文を読まれることをおすすめします。
地震だけではなく、一つの情報を鵜呑みにせず、気にかかっているものごとについては中立な環境で、時間をかけてでも少しずつ調べ、自分自身の視点や支点を明確にしていくことが大切なのではないでしょうか。
先日発売されました書籍「喪失を贈り物に変える」水野次太郎名誉教授(臨床人間学)編著 久美出版、私の他に8名の執筆によるそれぞれの死の受け止め方やとらえ方については後日、書くことにします。
今日の午後から札幌へ、文科省教育推薦プログラムとなっている受刑者へ向けての授業をするため、あと少しまとめなくては な夜更けどきです。